第一回 ~地域新電力の時代がやってきた

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 
 このパワーシェアリングのWEBサイトを借りて、3月から新しいコラムを始めることになりました。担当するのは、私、日本再生可能エネルギー総合研究所の代表を務める北村といいます。研究所は2011年の東日本大震災の夏に設立しました。国内外の各種の再生エネ情報を収集して広め、日本に新しいエネルギー社会を実現させることを目的としています。

では、第一回のコラムを始めましょう。

 昨年の電力自由化から早くも1年が経とうとしています。電力広域的運営推進機関のまとめでは、昨年末での一般家庭での切り替えが257万件になりました。これは、一般家庭向けの電力総契約数の4.12%という数値です。東京電力からの切り替えが最も多く5.25%、2位関西電力、3位北海道電力となっています。その後、中部電力、東北電力と続きますが、四国電力、北陸電力、中国電力では1%に満たず、沖縄電力管内はいまだ一般家庭向け新電力への切り替えがありません。切り替えたくても対応する新電力が無いからです。

 さて、この手の統計の記事の後に必ずこんな評価が続いてきます。例えば、「まだ様子見が多く、なかなか切り替えが進んでいない実態がある。」というコメントです。果たしてこの評価は正しいのでしょうか。

 確かにちょうど1年前には、地域差はありますが、テレビでも電力自由化のニュースが毎日のように流れていました。すぐにでも何割もが切り替える勢いと見えたかもしれません。それを考えれば、現在の切り替え率はちょっと物足りないと感じるのも無理はありませんし、何より、期待に胸を膨らませた新しい小売電気事業者の中には期待外れとがっかりしている会社も少なくないでしょう。

 しかし、このままのペースで行けば、1年間で5%の切り替えになるのは確実です。これまで地域の大電力会社の牙城を300万件も切り崩すというのは大変なことです。私の評価は、『十分な成果』です。実際に、欧州での最初の1年間の切り替え率を上回っているのです。日本の手本と言われるドイツでさえ、電力自由化から10年以上経っても切り替えの経験がある世帯は40%程度だと言われています。1年目で5%は上出来です。

 2月28日現在の小売電気事業者の登録数は383社となりました。いわゆる新電力です。ドイツで電力自由化時に誕生した小売電気事業者は100社を超える程度と言われていますから、日本はそれを大きく上回るブームといえます。ただし、383社の中身はいろいろです。実は、そのおよそ4割の本社が東京にあります。東京にいると大企業の作った新電力のCMを見ることは少なくありません。北陸、四国に本社があるのは一桁、東北で15社、北海道で17社にすぎません。

 それでも、私は、今後の主役は地域の新電力だと考えます。地域新電力こそ、疲弊した地域を救うキイになる可能性を秘めています。ドイツもそうでしたが、その背景には再生エネの急拡大があります。再生エネはいわゆる「密度の薄い」自然に根差したエネルギーですから、必然的に地方に分散化します。昨年末に早期発効したパリ協定は、再生エネがCO2削減の切り札であることを証明しましたし、再生エネ拡大の大きな支えとなって分散化を推し進めることになるでしょう。こうして、再生エネ=分散化の流れが、地域新電力の役割を増幅させるのはいわば必然です。

 エネルギーの地産地消、エネルギー費流出の削減、地域の経済循環、そして、ドイツスタイルの地域エネルギー会社「シュタットヴェルケ」。これら地域新電力に関わるいくつかの言葉を耳にすることが多くなってきました。このコラムでは、これらの言葉を地域新電力と絡めながら具体的に説明していきます。そして、日本で、地域でそれをどのように実現させていくかをお話していきたいと思います。最終的には地元での新電力の実現と地域の活性化に結び付けていくことが目標です。ぜひ、お付き合いをお願いします。

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