第二回 ~希望の光は地域から射す

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 
 私がお手伝いをして立ち上がった地域の新電力は、登録直前を含めて4社となりました。さらに複数か所で準備が進んでいます。その地域は、東北から関東、関西、そして九州に及び、来年には二桁になるでしょう。
 立ち上げを進める地元の彼らとの会話は、その前向きな明るさに触れる気持ちの良いチャンスでもあり、私を元気にしてくれます。エネルギーをきっかけに地域を活性化させたいと語る笑顔とそれに続く真剣な議論は、今この国で行われている特にエネルギーに関する不毛な議論のレベルとは大きく違って、希望を感じさせてくれます。
 もちろん、周りを実際に元気にさせるためには自らが関わるエネルギー事業を成功させて、しっかりと利益を上げることが肝心です。だからこそ、彼らは基礎となる地域での電力小売事業を着実にスタートさせているのです。

 支援中の地域新電力は、将来の総合的な地域エネルギー会社を視野に入れています。今回は、その地域の総合エネルギー会社について簡単にお話しておきます。
 ご存知のように、最終的に使用されるエネルギーの形は大きく分けて3つあります。日本の場合、電気が25%前後、熱が40%~50%、交通が全体の3分の1程度となっています。電気は全体の4分の1にすぎず、これだけのソリューションでは、エネルギー問題は解決したことにならないという理由がここにあります。
 地域新電力はまず電気の25%分を担当し、可能な限り「エネルギーの地産地消」に近づけるためのきっかけを作ることになります。ただし、まだ4分の3が残ります。熱に関しては、ゆっくりですが、木質バイオマスや太陽熱、ヒートポンプなどを使って地域内でケアされていくことになります。いずれは地域エネルギー会社の業務のテリトリーに入っていくでしょう。
 私は、そんな中で一番遅くやって来るのが、交通分野だと考えていました。なぜなら、交通に要するエネルギーは圧倒的にガソリンなど遠く中東などからやって来る外来の燃料だからです。地域での生産はどう考えても不可能です。一方で、地方へ行くほど車社会と言われ、車無しに生活が成り立たず、地域と車は切り離せない実態は変わりません。
 ところが、このところEVの普及のスピードが驚くほど加速されてきているのです。2040年には新車販売台数の4割がEVになるという予測もあるほどです。交通分野での大規模な変化は、自動運転とカーシェアリングでも見られまず。EVの普及と合わせ、もはや交通革命と呼ぶべきものかもしれません。少しだけ付け加えると、自動運転では運転テクニックが必要なく、高齢者でも安心して自動車が使えるようになります。また、カーシェアリングでは車自体を持つ必要が無くなるのです。所有して、メンテナンスして、石油市場の動向を気にしながら燃料代の値上がりに怯えることは、今後は無くなっていくのでしょう。これまでの車社会のイメージが根本から変わります。
 交通革命がもたらすことのうちエネルギーの観点から言って最も重要なのは、これまでガソリンを買うしかなかった立場から、燃料となる電気を太陽光発電などで自ら作り出すことができるようになることです。これは、燃料革命を意味します。つまり、電気、熱に続いて交通に要するエネルギーも地域でカバーすることが夢でなくなります。
 先ほど書いた「総合的な地域エネルギー会社」は、地域のエネルギー全部を供給できる夢のエネルギー会社になる可能性を秘めているのです。私は将来、地域エネルギー会社こそが、エネルギーに留まらず、地域の日常生活を良い方向に変えていく推進役を担うと確信しています。地域新電力の立ち上げは、その第一歩目だと考えてみてください。

 まさに、『希望の光は地域から射す』のです。

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