第十一回 ~「交通革命」は地域をどう変えるのか

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 
 前々回に続いて、またしても「交通革命」がテーマとなってしまいました。これまで、海外の国単位の政策やメーカーの話を中心にお話しましたが、今回は国内の動きです。遅ればせながら日本の対応がニュースとしてがんがん入ってきているからです。
 最大のニュースは、「トヨタとマツダが資本提携」するという8月4日のニュースでしょう。両社は2年前から業務提携をしていましたが、それを一歩も二歩も進めました。トヨタがマツダの株式の5%余りを500億円で取得し、マツダはトヨタの株式の0.25%をおよそ500億円で取得するという資本提携に踏み切ったのです。
 ポイントは資本提携の理由です。目的ははっきりしています。電気自動車の共同開発です。世界の自動車産業をけん引し、日本の主軸産業とも言える日本の自動車メーカーも世界の動きに追随することになりました。

 会見を行ったトヨタの豊田章男社長は「これからの競争は、AIや自動運転、IT企業との戦いなど今までと違う前例のないものだ」と語りました。交通革命が世界のトヨタにも大きなインパクトを与えていることを認めたのです。これまで日本政府やトヨタは、次世代車としてハイブリッド車やFCV(燃料電池自動車)を後押しする戦略でした。ところが、世界の動きはEVに大きく傾き、路線の変更を余儀なくされた形です。
 EVに関しては、はっきり言ってトヨタやマツダは遅れを取っており、危機感からの資本提携という側面は隠せません。トヨタと共にFCVへ肩入れしていたホンダも同様にEVへのシフトを宣言しました。EVは技術や部品の数などガソリン車に比べてずっと開発が容易と言われています。アメリカのテスラ社がその象徴でしょう。また、カリフォルニア州のようにハイブリッド車はクリーンな自動車ではないと規定する地域も増え始めています。今後EVメーカーが中国を中心に林立するようになると、トヨタの優位性などあっという間に吹き飛んでしまってもおかしくありません。
 次世代車に関する日本政府の政策のガラパゴスぶりは、今回はこのくらいで指摘するだけにしておきます。最後に、EV、自動運転、シェアリングという交通革命が地域にどう変化をもたらすかを一部だけお話しておきましょう。
 
 大都市圏から離れた地域では、移動手段はどうしても自動車に頼らざるを得ない状況です。しかし、高齢化によって、自ら運転することが困難になる人はどんどん増えていきます。また、経済的な観点から見ると、自動車の費用、特に燃料費は家計の大きな負担となっています。
 交通革命は、これらの地方の不便さを改善する可能性があります。自動運転によって、運転能力が衰退したお年寄りでも自動車を利用続けることができます。また、シェアリングは自動車を所有する費用負担を大きく緩和させるでしょう。
 そして、何より交通燃料の概念が大きく変わります。
 これまでの石油=ガソリンから、電気になるのです。電気は、再生エネによって作ることができ、また近い将来、それが主流となっていきます。つまり、遠い中東などの諸国から運ばれてきた燃料が、すぐそばの地元で作ることが可能になるのです。高いお金を使って買う燃料から、地産地消できる燃料へと劇的に変化するのです。

 私が交通革命をたびたび取り上げるのは、この新しい燃料を誰が扱うかがどんなに重要かお話するためです。お気づきでしょうか。それこそ、このコラムのテーマである「地域新電力」の役割です。
地域経済を疲弊させている大きな原因は、エネルギーに使う莫大なお金が地域から流れ出ていることです。地域新電力は、まずは電気に関する費用の流出を削減するためのツールとなります。そして、交通革命は、流出エネルギー費の3分の1にもなる交通に関する費用を地産地消できるようになります。燃料費を捻出するのに苦しんでいた地域が、燃料を生み出すことができる。経済的な立場の逆転が起き、地域による経済革命に繋がるのです。決して夢物語ではありません。
 

以上

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