第二十七回 再生エネが主力電源に

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 前回のコラムから「地域新電力の種類」をテーマに、シリーズ化する予定でした。そのままの流れであれば、今回はその2ということです。ところが、再生エネに関してとても大きい出来事があったので、そちらを優先することにしました。
 
少し大きな話になりますが、日本の将来にわたってのエネルギー政策のことです。
日本のエネルギー政策は、経済産業省の所管です。その経産省が今、2050年に向けた長期エネルギー戦略を検討しています。この4月には最終案がまとまり、夏には、エネルギー基本計画という国全体としての政策に反映されることになります。
これまでの基本計画をご存知でしょうか。電力については、エネルギーミックスと言って、再生エネや原発などの2030年時点での目標割合を決めています。再生エネが22~24%、原発が22~20%という数字をどこかで見た方も多いでしょう。
今回の検討は、それ以降2050年に向けてどうするかというものなのです。

 結論から言うと、太陽光などの再生エネを主力電源化することをはっきり書くことにしたのです。これは再生エネが価格低下やデジタル技術で「主力化への可能性が大きく拡大している」と分析しているからです。つまり、今後再生エネの価格が下がって、主力電源になる可能性が高いと判断したのです。パリ協定が強く求めているCO2削減を実現するために、再生エネが最も重要なツールだと認めたことにもなります。
これは、政府のエネルギー政策の大転換を意味します。
これまでのエネルギーミックスでは、原発を重要なベースロード電源として、割合を22~20%としていました。実は、「22~20」という書き方が曲者です。「20~22」ではないのです。再生エネは、「22~24」といわゆる昇順になっているのに、原発は反対に降順です。数字は再生エネが大きそうに見えて、実は、22%で並ぶようにしていたのです。ところが、今回は、あっさり再生エネが「上」とはっきり決めました。

このような変化の本当の理由は何なのでしょう。
再生エネの海外での実績が圧倒的だからです。私もこのコラムを含めて、再生エネが世界の主流であることなどを書き続けてきました。しかし、国内では、「価格が高い」、「不安定」だなどと、ごちょごちょ難癖をつける向きが政府系からの声でも良く聞かれていました。
しかし、世界では。再生エネの価格がどんどん下がり、なかでも太陽光や風力発電のようなVRE(可変的再生エネ)に注目が集まっています。VREは原料のいらないいわゆる限界費用ゼロの電力で、いずれはゼロ円の電気を生み出すことになります。海外では極端に安い電力を手に入れることが可能になる一方で、日本が従来型の電源にこだわっていては、国際的な経済競争に敗北するのは確実になってしまいます。再生エネ先進国ドイツはもちろん、中国までも再生エネで8割以上を目指すと宣言しているのです。

再生エネが主力電源と位置付けられた一方で、原発は「脱炭素化の選択肢」と微妙な位置です。化石燃料は「過渡期における主力」にすぎず、非効率な石炭火力などは順次廃止するとされています。さらに、2030年時点であれほど、こだわっていたエネルギーミックスの2050年の目標数字は示さないことになりました。
世界では、すでに石炭火力はすべて廃止の方向で、エネルギーミックスやベースロードという言葉も使われなくなってきました。そういう意味からも今回の日本のエネルギー戦略は、再生エネの全面勝利といえます。少しポジティブに言えば、世界の流れにやっと乗るようになったということです。

面白いのは、これまで再生エネにごちゃごちゃ難癖をつけていた評論家たちが、突然、手のひらを返したように「再生エネを主力電源にするための提言」など言い始めたことです。ある経産省のOBは、「原発を稼働させることで、再生エネ拡大の資金を作る」ととんでもない理論を展開しています。

道のりは平たんではないでしょうが、日本も確実に再生エネ主軸の道を歩み始めることになります。繰り返しますが、再生エネは地域密着のエネルギーです。そのエネルギーをハンドリングするのは、地域に根差した地域新電力です。再生エネの大幅アップの道程は、地域新電力の発展と重なることを忘れてはならないと思います。

以上

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