第二十八回 「再生エネが主力電源」で地域新電力は急激に活性化する①

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 少し時間が空きましたが、引き続き、再生エネの主力電源化についてのコラムです。前回は、再生エネ主力電源化とはどういうことなのか、なぜそうなったかということを国レベルからお話をしました。今回は、それがどんな影響を地域、または地域新電力に与えるかということについて書きたいと思います。
 
 まず簡単におさらいをすると、日本の今後のエネルギー政策の柱となる「エネルギー基本計画」、これは経済産業省が作るのですが、この中に先に示した「再生エネを主力電源とする」という言葉が入ることが確定したという事です。
 これは、政府のエネルギー政策の大きな転換を意味します。
 一方で、主力電源化はあくまでも目標だし、原発も重要だとしているので基本は変わらないという評価もあります。しかし、そうではありません。

 日本の官僚組織、それから民間企業は基本的に政治、政策をたいへん気にします。
 まず、官僚は自分たちの省庁の予算を増やすことが大好きなので、予算取りに役立つものは何でも使います。これまであいまいだった再生エネの立ち位置が主力と明示されたのですから、今後のエネルギー、電力関係の予算を考える時には「主力電源」という言葉を目いっぱい使った予算取りに走ります。一方、民間企業は新事業の重要な候補として、安心して再生エネを考えることができるようになります。主力電源ということが決まったのですから、あいまいな政策変更で足元をすくわれるリスクがぐんと減り、また、社内で市場参入の企画を出すときには、上司など上層部を説得する材料もできました。
 系統連系や再生エネのコストなど、今後、実際の「再生エネ大量導入」を実現させるためには多くのハードルがあることは否定しません。しかし、世界中で再生エネが主流ということは常識となり、コストが大幅ダウンしているのは現実のことです。日本だけが世界の市場で完全に孤立しているわけもなく、日本人の知恵をちょっと絞れば、課題は驚くほどのスピードで解決していくと確信しています。

 すでに、その流れは表れ始めています。
 例えば、再生エネ100%を目指す世界の企業や団体で作る「RE100」という組織があります。Renewable Energy 100%の頭文字を取ったもので、アップルやグーグル社など世界の一流企業が120社以上参加しています。
 日本では、昨年の6月のリコーを皮切りに、12月までに積水ハウス、アスクルが加わりました。さらに今年になってその動きが加速しています。大和ハウス、ワタミ、イオンと立て続けに加盟が発表され、合計6社となりました。検討を行っている企業はまだまだあるといわれており、あっという間に二桁になるでしょう。
 さて、RE100を標榜する国内企業がどんどん増えているだけでなく、もちろん、アップルやグーグル社などの海外企業の多くが日本に支社や現地法人を持っています。みんな最終的にはすべて再生エネの電気で賄うことを目指しています。ところが、そんなにたくさん再生エネ電源が日本にあるのでしょうか。すでに、再生エネ不足が問題になり始めています。

 再生エネ主力電源化は、そんな中で決定されたことを忘れてはいけません。これはお題目だけではなく、必要とする企業などの需要があることの答えでもあるのです。
 再生エネは土地が高くてスペースも無く、もともと資源の少ない都会では増やすことが難しい地域主導のエネルギーです。そこで、重要になってくるのが地域での再生エネの拡大です。また、その再生エネ電源を開発したり、ハンドリングしたりするのに地域新電力ほど適した存在はないと考えるのがごく自然な流れです。
 次回は、より具体的に、再生エネ主力電源化と地域新電力の役割についてお届けしたいと思います。

以上

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