第三十一回 「RE100」の拡大と地域新電力

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 
 この一か月ほどの間に、このコラムの第28回、第29回で取り上げた「RE100」に関して、いくつかの動きがありました。
 もう一度、RE100の説明を簡単に。再生エネ100%を目指す世界の企業や団体で作る組織で、名前はRenewable Energy 100%の頭文字を取っています。本日(2018年6月23日現在、アップルやグーグル、フェイスブック社など世界の企業や団体137社が、加盟しています。
 さて、動きの一つ目は、新たな日本企業の加盟です。
 5月24日発表になったのが、城南信用金庫です。日本では7社目となり、また日本の金融機関としては初めてです。今回は、少しその中身に触れてみましょう。
 城南信用金庫は、具体的な「目標」として、2030年までに信用金庫の消費電力の 50%以上を再生可能エネルギーで賄うこと。そして、2050 年までに消費電力の 100%を再生エネで賄うことを掲げました。
 さらに、「目標の達成のための取組み」として、再生エネを主とする電力小売事業者との契約、事業所内の太陽光パネル等、自家用発電設備の増加や高効率化の取組みを通じた消費電力の削減などを挙げています。

 当たり前ですが、加盟するだけでは意味はありません。実際の行動計画とその実行が求められるのは当然です。達成は簡単ではなく、今後の不断の努力が必要になってきます。取り組みとしてこのコラムと直接的に絡むのは、まず、再生エネを主とする電力小売業者との契約になるでしょう。地域の新電力は再生エネに手が届きやすい近しい存在です。RE100の動きを見ていると、そのような存在になることこそが、事業拡大につながることもはっきりしています。
 さらに、自家用発電設備の増加や高効率化の取組みを通じた消費電力の削減というところも決して地域新電力と別の話ではありません。地域のエネルギー会社として、電気を販売するだけでなく、地域内の再生エネ施設を作ったりその支援をしたりすることは十分可能です。また、後半の省エネやエネルギー効率化の提案や具体的なお手伝いも十分事業ベースになり得ます。RE100企業や団体の拡大は、地域新電力の事業拡大と並行して進むと覚えてください。

 動きの二番目は、環境省のRE100申請です。
 6月15日付で、加盟の申請をしたとの記者発表が行われました。本気ですね。まだ申し込みをしただけのようで、RE100のWEBには、本日時点では環境省の名前はまだ載っていません(もし見落としならすみません)。プレスリリースには、「今後、環境省の庁舎・施設の電力消費における再エネ比率をどのようにして向上させていくのか具体的な方法を検討し、実行してまいります。」とあり、こちらも具体的な実行が重要とわかっているようです。
 経緯としては、まず外務省がRE100加盟を目指すとぶち上げた一方で、いったん環境省は加盟すると大変と後ろ向きな発表をしました。そのあとは、省内でもすったもんだがあったのでしょう。一気に申請まで進んでしまいました。
 まあ、RE100の拡大はよいことだと思いますし、今後は外務省など各官庁(地方の自治体も含め)が競って加盟に動くと思われます。地域の自治体をはじめとして、中央官庁も数多くの出先機関や建物を地方に持っています。これらが、一斉にRE100目指す可能性があり、こちらでも地域新電力が協力したり活躍したりするケースが急激に増えてくるはずです。

 5月のコラムでお話ししたように、経産省がこの夏に閣議決定する「第5次エネルギー基本計画」で示される『再生エネ主力電源化』は、再生エネの重要性をさらに高め、再生エネ100%の取り組みに拍車がかかるきっかけになります。
 再生エネの量的な拡大は、地域でのエネルギー地産地消を進めることのできる重要な存在である地域新電力、地域エネルギー会社を抜きにしては達成できません。そのプレゼンスは増す一方です。

以上

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