第三十三回 地域エネルギービジネスと動き始めた企業、パート2

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 

 7月3日に、第5次エネルギー基本計画が閣議決定されました。正直言って、来月以降かと思っていたので、少し驚きました。前倒しなのかどうかは、私にはわかりませんが。これで、『再生エネの主力電源化』が正式決定されたわけです。これまで、くっついていた「案」が取れました。

 前回のコラムで、主力電源化を見越して、民間企業などが続けて再生エネの取り組みを加速させていることを書きました。今回は、その勢いが「半端ない」ということに触れたいと思います。
 その中でも最も象徴的なのが、東京電力ではないでしょうか。
 6月29日に、現在の小早川社長の就任一周年の会見が行われました。そこで、社長が語ったのは、「洋上風力発電などに本格的に乗り出し、再生可能エネルギーを主力事業として育てる」というものでした。あの東京電力が、再生エネを主力事業化するということです。将来的には、再生エネでの利益を1000億円規模にしたいとその目標を語っています。主力電源化はそこまで浸透し始めたのです。

 閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」は、再生エネの主力電源化を掲げる一方で、2030年時点でのエネルギーミックスの割合をそのままにしたり、原発の役割が重要であると繰り返したりと、マスコミの批判を浴びています。しかし、私がこれまで書いてきたのは、いったん再生エネの主力電源化を政府が示してしまえば、それがどんどん独り歩きを始めて、一気に進むということでした。
 今、それが全くその通りに進んでいます。
 ある大きなエネルギー会社は、これまで比較的のんびりと進めていた再生エネ発電事業を急速に拡大することにしました。主力電源化が新しい方針に拍車をかけたのは間違いありません。これからは、再生エネ事業をやるのは当たり前で、何をどこでどうやってやるかを競う時代になりました。

 発電事業が拡大すれば、発電用の機材を作る側も同じことです。
 これまで原発事業ばかりが目立っていた、日立製作所、東芝もそろって風力発電にシフトすることを宣言しました。日立は再生エネの売り上げを倍以上にすると6月の株主総会で宣言し、東芝は風力や太陽光発電に資源を集中するとしています。

 となれば、今度は電気を使う側です。使用するエネルギーの再生エネ100%を目指すRE100の話を2回前のコラムに書きました。ほんの2週間ほど前のことです。その時点で、日本の企業や団体の加盟数は、7社でした。ところが、その後、丸井グループが参加を表明して8社目となりました。
 6月の中旬に日本で記者会見を行ったRE100のサム・キミンス総括責任者によると、この夏には日本からの参加が15社に倍増するそうです。2020年には50社程度になるとまで話しましたが、私は日本企業の横並び主義から見て、もっと増えるとみています。
 また、再生エネの普及促進を民間から訴える組織「気候変動イニシアティブ(JCI)」が7月の初めに設立されました。ソニー、NEC、日立製作所、NTTドコモ、パナソニックなど75の企業と15自治体など105社、団体が参加する盛況ぶりです。というよりも、なかなか進まない政府の再生エネ普及策を刺激しようとする意図がはっきり見えています。再生エネを使って生産しないとものが売れなくなる。もっと再生エネを増やしてくれとも訴えているのです。

 再生エネでなければ、経済が回らない時代がやってきました。これこそが、再生エネ資源を有する地域のチャンスです。地域こそ、地元の発電所で再生エネを作り(地産)、地域のエネルギー会社が再生エネを供給(地消)する主役になるのです。この地産地消のサイクルが完成すれば、企業は列をなしてその地域にやってくることになります。決して夢物語ではありません。これからは、「産油国詣で」ではなく、再生エネを持つ「地域詣で」が当たり前になるのです。

以上

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