第三十九回 第二次再生エネブームが呼ぶ「土地探し」

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 

 このコラムで繰り返し書いているように、『再生エネ主力電源化』や『RE100』によって、民間の有力企業の再生エネへの強い傾斜が進んでいます。これを仮に、「第二次再生エネブーム」と呼ぶことにしましょう。第一次はというと、FIT制度が始まった当初のメガソーラーブームだと誰でも納得すると思います。
 ところが、第二次は、第一次をはるかに超える勢いです。何より、今回は前回のような短期間では終わりません。まだほんの始まりでこれからが本番です。再生エネが主力になるのは、世界の常識だからです。

 そんな中、地域であることが起きています。土地を求める動きです。
メガソーラーブームの時に、各地で太陽光の適地を求めて異常な土地探しが行われました。地方をあさり漁った結果、最後は他人の土地を勝手に売るという詐欺事件まで横行しました。そのブームが招いた結果は何だったでしょうか。多くの発電施設が、地元の地域以外の所有となってしまいました。
 せっかくFIT制度が始まり、再生エネ施設が利益を生むツールとなったのに、自然エネルギーの資源を持っている地元ではなく、資本を持ち込んだ地域外、特に大都市の企業などが利益のほとんどを持って行ってしまったのです。風況のたいへん良い青森県では、県内の風力発電施設の実に97%が県外資本になりました。

 今回のブームは、再生エネが今後主力になることや増大するRE100企業への電力供給を見据えたビジネスが背景にあります。すでに、土地の値段(借りても購入しても)が何倍かに跳ね上がったという声も聞かれ始めました。バックに大きな企業や資本がいることも考えられます。
 前回との違いは、メガソーラーブームに置いて行かれた地元から、今回は自らで何とかしたいという声が聞かれることです。たとえば、私のところにも複数の自治体から相談が来ています。前回は、捨てられたような土地に値段が付き、施設ができて固定資産税が入ってくるというだけで、ありがたいと思っていた地域の人たちが、実は利益の大半をかすめ取られたということを知ったからです。

 受けた相談は、こんなことです。
 一つ目は、東京近郊で、自治体の関連施設や土地を貸してくれという会社が殺到しているというのです。太陽光パネルを設置したいというのが圧倒的です。自治体の職員さんとしては、再生エネが地域に増えるということはいいと思うようです。ところが、借りたいという会社がどんな会社で、そこが信用できるかどうかの判断がつかないというのです。
 もう一つは、ある提案が含まれた相談です。ここに地域でのソリューションのカギの一つがあるかもしれません。ある太陽光発電の適地で、ご多分に漏れず土地探しが始まり、新聞の宅配に交じってチラシが入りました。東京の会社です。特に土地買取りの値段は高くないのですが、自治体としては、前の例と同様に業者の見極めができない悩みと本音では地域外に借りて欲しくないようです。
 そこで、こんな提案がきました。地元にできた地域新電力が窓口となって可否の判断などのアドバイスを総合的に行ってもらえないかというのです。

 はたと思ったのは、地域新電力はこういう地元の相談相手になることができるんだなあということ、そして、そこに大きな意味があります。今、地元の資源が再び外に持っていかれようとしているのです。重要な将来のエネルギーや地域の経済を考えると、これは地域にとって再び危機がやってきていることになります。
 自治体や地元の企業、また、それぞれの地域エネルギー会社がどうコラボするかは、地元を守るための一種の共同戦線と言ってもよいでしょう。なぜ、地域新電力などがここで役割を果たせるかというと、単純に地元の会社だからです。地元の人や会社で構成されていること、何かあっても逃げ出すことのできない地域の運命共同体のメンバーだと思われているからです。ここが、地域外の会社と決定的に違うことです。
 外からの浸食に対抗するために地域新電力が示すことのできる具体策は、いくつもあります。土地利用の相談窓口だけでも大きな助けになるでしょう。また、もっと進んで、良い土地を地元の金融などと組み自らが開発するという手段も十分あり得るのです。第一次の再生エネブームの「失敗」を繰り返すことの無いよう、地域は団結して対抗すべきです。地域新電力はその柱の一つとして活躍できると信じています。

以上

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