第四十四回 発電と電力供給

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 

   2018年が終わろうとしています。今年は、政府が閣議決定したエネルギー基本計画で明示された「再生エネの主力電源化」が、重要なキイワードでした。私は、後々「2018年は再生エネ元年」と呼ばれるのではとひそかに思っています。
   さて、最後のコラムは、基本的なことについてです。
   これから書くことは、日本人が頭に浮かべる『電力会社』というイメージ、欧米などの海外とずれていることに起因するものだということを先に示しておきます。

 お話したいのは、本コラムのタイトルでもある『地域新電力』が、一般に何を意味すると思われているかということについてでもあります。
   コンサルティングという仕事柄、自治体や地域の方々が主催するセミナーや勉強会でお話するケースが少なくありません。その時に、北村さんの言う地域新電力はやっぱり太陽光が念頭にあるのですか、それとも風力やバイオマスも含まれますか。と聞かれることがよくあります。その人の頭の中には、新電力=新しい電力会社=発電をする会社、という公式が自動的に表れるようです。
 もちろん、一般に地域新電力の定義はいろいろあります。私が取り上げるのは、ここでもそうですが、小売電気事業者ですから、電力を供給する会社のことです。このずれは、なぜ起きるのでしょうか。

   これまで日本では、電力の供給域を沖縄も含めて10の地域に分割し、それぞれ独占的にいわゆる電力会社が電力供給を行ってきました。これが東京電力、関西電力などなどの旧一般電気事業者です。これらの会社は、電気の小売りだけでなく圧倒的な資本力で発電施設も作り続けてきました。さらに、その電力を運ぶ電線も所有して送配電を行っています。その結果、日本で電力会社というと、発電+送配電+小売りのすべてを行う会社というイメージが固定化されたのです。
   遅ればせながら、日本でも発電の自由化(IPP:独立系発電事業者)、小売りの自由化(小売電気事業者=いわゆる新電力)が行われて、旧一般電気事業者の独占はなくなりました。そうはいっても長年定着したイメージは簡単には払しょくされません。それが、私に対する謎の質問につながっています。
   同じような質問に、地域新電力を立ち上げるといっても発電施設は持っていないので難しいのでは、というものもあります。新電力を、昔からの電力会社と同じ「発電」「送配電」「小売り」の機能がそろうべきものと考えるからです。

   そろそろ、それぞれの機能が分離され、それぞれが別会社として役割を分担する存在であることを多くの人が理解するようにならなければなりません。そうでないと、いつまで経っても、何もかもそろわないと事業ができないという呪縛から逃れることはできません。
   欧米では、二十年近く前から機能と事業内容の分離が進んでいます。その結果、それぞれの機能、「発電」、「送配電」、「小売り」が別々の事業として行われています。ここに挙げた三つの機能だけでなく、それぞれをミックスしたり、また、付随したりのビジネスも隆盛です。例えば、再生エネが拡大する中、再生エネ電力をたくさん使えるようにするいわゆる「柔軟性」のビジネスです。複数の発電をコントロールするVPP(バーチャル発電所)はその一つです。このコラムでも何度か取り上げていますね。

 地域から流出するエネルギー費を削減することは、地域から出ていくお金の量を少しでも食い止めて、地域活性化を図るための有効な方法です。エネルギーの地産地消と言い換えてもいいかもしれません。
   その時に、必要なツールは、発電に関しては地域の発電会社であり、電力の供給=小売りに関しては地域新電力です。それぞれの会社を地元の資本で作ることで、生み出される付加価値を地元に残すことができるのです。
   きちんと分けて説明すればそれほど難しいことではありません。頭の中を整理したうえで、地域の皆さんや自治体の方々にお話しできるようにぜひなってください。基本はいつでもとても重要です。

以上

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