第四十五回 ドイツの再生エネ電力40%を超える

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

   新しい年になりました。
   明けましておめでとうございます。
   今年もどうぞよろしくお願いします。

   前回のコラムで「2018年が再生エネ元年と後々呼ばれるようになるのでは」と書きました。そんなこんなで、お正月にエネルギーのニュースを探していると、ドイツの再生エネ電力がついに40%を超えたということがわかりました。世界でも大変著名で、ドイツ国内に多くの分野に70を超える研究所を持つフラウンホーファー研究所ISEが発表したデータです。律儀に元旦の日付で、前日に終わったばかりの2018年の発電総まとめのリポートを発表するというのですから、まあ、ドイツ人のまじめなこと。頭が下がります。

   背景はともかく、リポートの内容を見てみましょう。
   昨年1年間のドイツの全発電量は5,424.7億kWhでした。これはいわゆる正味(ドイツ語のNETTO)の数字で、発電ロスや自家発電(工場などでの自家消費)を除いています。
   このうち再生エネによる発電量が2,189.3億kWhで40.4%を占めました。昨年は38.2%でしたから、2ポイント少し上回ったことになります。ドイツの再生エネの歴史の中で、初めて40%の大台に達したのです。一方で、再生エネ以外による発電量は3,235.4億kWhで59.6%でした。当たり前ですが、こちらは初めて6割を切りました。
   日本の再生エネ発電の総量は全体の15%程度なので、まだドイツの3分の1程度でしかありません。

   電源別で見ていきましょう。まず再生エネからです。
   日本では、大型ダムを除くと全体の9割という圧倒的な量が太陽光発電の電力です。ドイツの場合は、日本とはかなり違っています。再生エネの中で第一位は断トツで風力発電です。全発電量の5分の一に当たる20.4%が風力です。一方、日本では圧勝の太陽光発電はドイツでやっと再生エネで2番目になりました。数字はまだ8.4%ですが、前の年より16%も発電量が増えました。一時期、伸びがかなり小さくなっていましたが、昨年は以前の勢いが少し戻ってきたように見えます。
   再生エネ第3位がほぼ太陽光発電に並ぶ数字のバイオマス発電(木質バイオマスとバイオガスが中心)で全体の8.3%あります。ドイツでは水力発電は割合が少なくこのところずっと再生エネ第四位に沈んでいます。昨年は特に悪く、この30年で二番目に少ない発電量でした。割合は3.2%です。

   一方で、再生エネ以外では、どの発電源も昨年を下回りました。
   具体的な数字は次の通りです。全体でも発電トップとなったのは質の悪い石炭の褐炭発電です。24.1%と全発電量の4分の1もまだあります。続いて、石炭発電と原子力発電が13%です。残りの天然ガス発電は、7.4%とかなり減らしています。ただ、工場などの自家発電に多くのガス発電が残っているため、実際には数字の1.5倍以上あるとされています。

   特徴的なのは再生エネ全体で、褐炭と石炭発電の合計を上回ったことです。パリ協定でも示されたように、石炭発電は「温暖化を助長する悪役」となってしまいました。日本ではまだ安価とされ多くの石炭発電所建設の計画が残っています。一方のドイツでは新旧交代の象徴となっていて、ついに数字としても再生エネが逆転を果たしたわけです。
   2000年にドイツのEEG(日本のFIT制度にあたる法律)がスタートして18年が経ちました。再生エネ電力は、2004年に10%越え(4年間)、2011年に20%越え(7年間)、2015年に30%越え(4年間)、そして2018年に40%越え(3年間)と順調に伸びてきました。
   ここまで大規模蓄電システムなど特別なハードも使わずに拡大してきましたが、ここからは、大量の再生エネを取り入れるためのいわゆる『柔軟性』が必要になってきます。例えば、VPP(バーチャル発電所)などの様々な工夫が必要になってくることになります。逆にこれこそビジネスチャンスが山盛りということにもなるのです。
   ドイツでは、VPPをビジネスとする企業のほとんどがベンチャーですが、すでに厳しい競争状態に入っています。様々なチャンスを巡る競争が経済を活性化させる勢いを作り出していると考えてもよいでしょう。
   さあ、日本の番です。

以上

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