第五十三回 新しい協議会の誕生(上) ~理念と目的

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 私とこのコラムを載せているWEBサイトの運営者が積極的に関わったある協議会がこの4月に立ち上がりました。この一年ほど繰り返した議論と準備の結果やっとできたなあという少し感慨深いところがあります。
 協議会の名前は、「地域活性エネルギーリンク協議会」と言います。
 英語名は、Japan Regional Energy Linkで、略称には地域という英語はを入れずに「日本のエネルギー連携」にあたるJE-LINKとしました。
 WEBサイトが開設されているので、そちらもご覧ください。
   URL:https://je-link.jp/

 協議会が目的とするのは、再生エネによる地産地消をきっかけにした地域の活性化です。発足に至ったきっかけのひとつは、私がこのコラムで何度も書いてきたことを実践し、実現するためにもこのような組織が必要だと考えたことです。そして、同様の意図を持った多くの人たちが賛同し集まってもらった結果がこの形になりました。このコラムを書いている段階で、全国から36の団体が参加しています。

 会員は、大きく分けて地域の会員と、それを支援するサポート会員の2つです。
 具体的には、前者は、地域のエネルギー供給事業者、地域の発電事業者、それに自治体や大学などです。地域エネルギー事業者というのは、やや持って回った言い方ですが、実際には、このコラムで多く登場する地域新電力、自治体新電力を指しています。協議会には、各地から15の新電力が参加しています。なぜ、エネルギー供給事業者とわかりにくい表現になっているかというと、将来は、熱を供給する事業者も視野に入れているからです。今後は、熱の供給が重要な地域のエネルギー事業になります。
 地域発電事業者は、読んで字のごとくそのままです。こちらには、現在、6つの団体の参加があります。ともに、「地域」という名称を付けているのは、地域の資本が主体となっているということを強調したいからです。

 コラムをお読みいただいている方々はお分かりだと思いますが、エネルギーの地産地消による良い経済循環を地域で起こすには、地域資本が中心となったエネルギー関連企業が存在する必要があります。例えば、エネルギーの地産地消や地域活性化を掲げる新電力の中には、会社名に地域を入れ、本社を地域に置きながら、実際の資本は100%地域外(多くが東京などの大都市)というケースが少なくありません。これでは、この会社が生んだ付加価値(会社の利益など)のほとんどが地域外に流出してしまいます。

 この他、地域に関連する会員として、自治体や大学(学術会員)などが参加しています。面白いのは、大学からの参加です。現在の3つの学術会員は、大学全体ではなく一部組織として入ってもらっています。以下の通りです。
・弘前大学地域戦略研究所
・千葉大学予防医学センター 健康都市・空間デザインラボ
・神奈川工科大学スマートハウス研究センター
 弘前大学地域戦略研究所は、WEBサイトにある通り、『再生可能エネルギー・食料に恵まれた北日本地域の更なる発展に貢献すべく、エネルギー・食料を軸とした地域支援や研究開発』を行っていて、本田所長は、青森県の有望なエネルギー資源である洋上風力の権威です。また、千葉大学の予防医学センター 健康都市・空間デザインラボは、地域の健康の観点からまちづくりを考える研究機関です。さらに、神奈川工科大学スマートハウス研究センターは、地域のエネルギーを効率的にコントロールするためのHEMSを取り扱っています。
 エネルギーや健康など重要な地域課題にどのように対応して地域を豊かにすることができるか、協議会と同じ方向を向いた力強い仲間だと考えています。

 ここで、もう一度理念に立ち返ってみたいと思います。
 協議会名の中に入っている『リンク』がその鍵です。
 エネルギーの地産地消を達成するためには、地域内のリンク(連携)が非常に重要であると、協議会では考えています。電力で考えると、電力を生み出す者(地域発電会社)と電力を供給する者(地域、自治体新電力)が揃うことが地産地消には必須です。そして、地域の基盤となる自治体とのリンク(連携)も当然として欠かせません。
 これまでは、時としてバラバラに活動してきたこれらのステークホルダが地域内のリンクとして連携し、地域活性化のために協力するためのポータルとして、協議会を働かせたいと考えています。

 実は、協議会の考えるリンクには、もう一つあります。
 それは、地域と地域との間をつなぐリンクです。
 先日、横浜市と東北12市町村が、将来の再生エネ電力の融通のための連携協定をそれぞれ結びました。このコラムでも取り上げたのでお読みいただいた方もいらっしゃるでしょう。このような動きは、「再生エネの主力電源化」や「RE100化」が進む中でどんどん活発になるでしょう。そして、再生エネをきっかけに地域が広く連携することで、弱体化が心配される地域の活性化につながる可能性が拡大すると考えます。協議会では、このリンク(連携)のサポートも強く進めていきます。
 これが、協議会の目指す『2つのリンク(連携)』です。

 かなり長くなってきました。
 次回以降は、今回、ほとんど触れていないサポート会員の存在とその意味、また、今後急激に進む電力自由化に関する制度改革に対する協議会のスタンスと取り組みについても触れていく予定です。

以上

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