第五十五回 「RE100」のさらなる拡大と地域新電力

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 ちょうど1年前に「RE100」の拡大についてこのコラムで書きました。
 城南信用金庫が日本で7社目のRE100企業になったことと環境省がRE100の申請をしたことがその時の話題でした。世界では137社の加盟だったとあります。
 1年後、日本ではRE100企業は12社増えて19社を数えるまでになりました。世界では、現在(6月8日)179社ですので、世界で増えた3割近くが日本の企業だったことになります。ブームに弱い日本らしいなとも思いつつ、今回は、ちょうど先月に発売された「週刊東洋経済」の特集記事「脱炭素時代に生き残る会社」を関連して取り上げたいと思います。

 RE100とは、企業活動に使う電気をすべて再生エネ電力で賄うことを決めた企業の集まりです。アップルやマイクロソフト、ソニーなど世界の著名な企業が名を連ねています。単にビッグネームというだけではなく、その影響は絶大です。これらの国内外の企業は、多くの下請けや納入業者を抱えており、サプライチェーン全体でRE100を目指す動きが当たり前になっているからです。
 
 そんな中での週刊東洋経済のタイムリーな特集は、かなりの評判を呼びました。書店によってはバックナンバーを置いていたり、取り寄せたり出来るところもあります。ぜひお手にしてみてください(何の宣伝料ももらっていません、笑)。
 特集の基本は、国内の主要な企業108社に行った再生エネに対する取り組みについてのアンケートです。企業名も見ることができます。本当に今の日本を形作るメインの企業ばかりです。
 ここでは、そのうち注目される3つのテーマを取り上げたいと思います。
 まず、「RE100に加盟していますか?」というストレートな質問です。
 アンケート対象の108企業のうち13社がすでに加盟していました。そして、現在加盟を検討している企業が42社ありました。合計すると55社になり、全体の過半数になります。RE100加盟の窓口である日本気候リーダーズ・パートナーシップによると「これまでに100社近くから問い合わせがあった」ということです。
 これは、RE100が将来は当たり前、標準となることを意味します。1年前の“RE100が流行ってきています”というレベルをはるかに超えています。RE100抜きにして企業活動が語れない時代が来るということをしっかり意識してください。

 地域にとって、これは大きく2つの意味があります。
 ひとつは、地域にある企業も確実にRE100化という波にさらされるということです。つまり、地域企業であっても自らが再生エネ電力を使うようになっていかないと、サプライチェーンから外れたり、ものが売れなくなったりするリスクがあるということです。
 もうひとつは、ポジティブな意味です。つまり、再生エネを供給する側に回れればいろいろなメリットを得ることができるのです。再生エネ資源は必ず分散型であり、地域にこそ豊富に存在するものです。これを握る地域が経済的な主導権を取ることができる可能性を示しています。
 また、ある地域が再生エネ電力を供給できれば、企業立地の切り札として外から企業を呼び寄せることに繋がります。もちろん付加価値の付いた電気を売ることで利益を得たり、地域の企業に優先的に使ってもらうことで地場企業の価値を高めたりすることもできます。

 次の質問です。
 「電力会社にどんな期待をしていますか?」(複数回答)への回答で、1位は「CO2排出係数の低い電力の供給」でした。90社以上がそう答えています。電気料金の引き下げは2位で、電気料金が安いことが必ずしも一番重要なわけではないという結果です。さらに、4位に「再生エネ100%の電力の供給」が入っていて、大手企業のニーズは、再生エネ電力の供給にあることが明白です。5位には「省エネに関する有益な提案」もあります。地域新電力がどこを向くべきなのかを表しています。
 もう一つアンケート結果を。
 「CO2の少ない電力を増やすためにどんな取り組みを行っていますか?」(複数回答)の答えで、1番目が80社近くの支持で「太陽光発電など、自社での再生可能エネルギー発電施設の導入」とあります。「グリーン電力証書やJ-クレジットの活用」は2番目です。そして「FIT制度の認定を受けていない再生可能エネルギー電力または卒FIT再生可能エネルギー電力の購入」が3番目でした。
 これは、多くの企業が証書よりもよりリアルな再生エネ電力そのものを使いたいということを示しています。

 傾向ははっきりしています。再生エネ電力を使いたい企業がドンドン増えて、その価値が高まっているのです。
 私が言いたいのは、その時に、この再生エネ電力を提供する最も適切な存在として地域にある新電力の役割がより重要になるということです。
 RE100達成のために必要な再生エネ電力を誰が供給するのか、また、地域で再生エネ電力施設をどうやって増やすのか、そしてその電気を誰が調達するのか。例えば卒FITの電気を誰が集めてくるのか、それらのすべてを円滑に行えるのが地域新電力です。その結果として、地域に経済的なメリット(付加価値)を循環させることができるのは、唯一地元資本である地域新電力に他ならないのです。自信をもって役割を果たしてもらいたいと考えています。

以上

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