第五十八回 SDGsを地域でどう実現するか。(上)

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 最近の講演のオファーで、最も多いのがSDGsについてです。
 はて、SDGsとは何でしょうか。
 内容を説明できなくても、この言葉を耳にしたり、目で見たりする機会は、最近になって格段に増えたと思いませんか。目で見ると言えば、上着の襟に大きいカラフルな二重円のバッジを目にしたことのある人は多いはずです。何のことだかわからないにしても。これこそ、SDGsの17のゴールを色で表したものなのです。
 本コラムの(上)では、まずSDGsが何か、そして、地域で実施をする意味について、簡単にまとめることにします。

 SDGsは、所管である外務省のWEBサイトから引っ張ってくる(若干まとめました)と、『2015年9月の国連サミットで採択された持続可能な開発のための2030年までの国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。』とあります。
 英語では、Sustainable Development Goalsと書き、持続可能な開発のためのゴール(複数)の短縮形がSDGsとなります。
 17のゴールは、①から「貧困」、「飢餓」、「保健」、「教育」と進み、「エネルギー」そのものが7番目にあります。オレンジ色に太陽のマークが入っていて、太陽のエネルギー、自然エネルギーを彷彿とさせます。簡単な内容として、「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」とあります。また、13番目は気候変動で、こちらは、「気候変動に具体的な対策を」とサブタイトルがついています。このコラムの主たる読者だと思われる地域の新電力に係る人たちにとっても、これらは決して別世界の目標ではないことに気づくと思います。

 国連で決まったことでもあって、日本政府もSDGsの実現に動いています。2016年6月に推進本部を設置しました。そして、地方創生政策の枠組みの中で、地方自治体に対してSDGsに積極的に取り組むように要請を行っています。日本政府の実施指針の中に、地方自治体の項目を作り、「SDGsを全国的に実施するためには、広く全国の地方自治体及びその地域で活動するステークホルダによる、積極的な取り組みを推進することが不可欠である」とはっきり書きました。
 なぜ、国連の作った目標が自治体にまで降りてきて、強く実施を迫るのでしょうか。
 それは、SDGsの求める『包摂性』があるからです。前に書いた「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています」、これが包摂性です。つまり、SDGsは、単なるお題目ではなく、地球に住むひとりひとりに対して実現すべき具体的なゴールなのです。ですから、地域をつかさどる自治体が主役となり、住民個人すべてに対する17のゴールの達成を求めるのです。国がただ旗を振っていてもダメで、自治体を巻き込まない限り絵に描いた餅に過ぎません。
 自治体に落ちてくる国からのプレッシャーはなかなかのもので、多くの自治体さんはSDGs実施のプラン作りに奔走しています。また、民間企業ではSDGsの17のゴールのうち、どれを実施するかの宣言を競いはじめました。積極的に取り組んでいるのは良い企業という評判を呼ぶからです。また、世界市場規模が毎年1200兆円とされることもあって、ビッグなビジネスチャンスと見る向きも多いのです。

 これらの背景があって、私の講演依頼テーマの現在のトップ項目がSDGsになったのだろうということに最近気づいた次第です。自治体さんや関連の団体、地域の民間の集まりでも、SDGsが話題になりつつあることがよくわかりました。

 さて、SDGsを地域でどう実現に持っていけば良いのでしょうか。
 実は、SDGsに決定的に欠けているものがあるのです。ポイントは、まずそこにあります。そして、もう一つのポイントは、17のゴールの中に示されています。この二つを考えたとき、ある答えが見えてきます。その実現策としてのツールに、地域新電力の存在が浮かび上がります。
 かなりもったいぶる形で、答えは次回のコラムに引っ張ります。
 直前に書いたヒントと環境省の進める『地域循環共生圏』のコンセプトを使って、解き明かしていきたいと思います。乞うご期待。

以上

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