第六十回 再エネ100宣言、「RE100の自治体や中小企業版」の誕生

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 「RE100」については、昨年と今年の6月にこのコラムで取り上げました。
 RE100とは、企業活動に使う電気を2050年までにすべて再生エネ電力で賄うことを決めた世界の企業の集まりです。8月の半ば現在で、世界で191社、そのうち日本企業はほぼ10分の一の19社となっています。
 前回RE100を取り上げたときのコラムでは、週刊東洋経済の「脱炭素社会特集」をピックアップしました。日本の主要な企業108社のうち半数以上がすでに加盟しているか、加盟を検討してることが特集記事のアンケートで示されました。RE100でないと金融がお金を貸さないなど、将来の企業活動に支障が出るのは確実だと私はコラムで書きました。
 RE100がすでにブランド化しつつあるのです。また、中小企業でもサプライチェーンなどを考えれば、RE100と無関係ではいられない時代が来ることも自明の理です。ところが、実際はRE100には大きな企業しか入れません。日本の場合、特別なルールが適用され、加盟条件となる年間の電力使用量の下限が極端に低く抑えられていますが、それでも中小企業が圧倒的に多い地方にとっては非常に高いハードルであることは間違いありません。
 自治体を考えてみましょう。今後、企業立地の条件に「再生エネを供給できること」が入ってくるのも必然なのですが、誘致を進める自治体もRE100には入れない仕組みです。

 そこで、そのどちらも、つまり中小企業も自治体も受け入れる新しい団体が間もなく誕生しようとしています。名前は、現状で「再エネ100宣言」とされています。英語名は、「REaction」となる方向です。加盟条件は、2050年までに再生エネ電力で企業や団体活動を行うこと、毎年報告を行うこと、再生エネの広報活動を行うことなどで、RE100とほぼ同じです。ただし、これまで参加が認められなかった、自治体、中小企業、それに学校や病院も参加できます。
 詳しくは、RE100の日本での参加窓口であるJ-CLPのWEBサイトを見てください。
  https://japan-clp.jp/archives/3210
 実際に再エネ100宣言の窓口業務を進めているGPN(グリーン購入ネットワーク)へのメールアドレスも中に示されています。参加にあたってのいろいろなアドバイスを受けることができます。
 当初、8月半ばに発足する予定でしたが、やや遅れているようです。

 RE100に参加する世界の企業に目を向けるとGoogleやアップルなどの先進的で巨大な企業が並んでいます。日本の参加企業以上に、経済的な影響力を日本でも持っていることがよくわかります。海外からの進出企業のサプライチェーンへの参加することやそこで活動を続けるために、RE100への関与を考える日本の中小企業や自治体がたくさん出てきています。先に示したRE100の窓口であるJ-CLPには、自治体や中小企業からもたくさんの問い合わせが続いているといいます。
 このため、かなりの数の自治体や中小企業が「再エネ100宣言」発足時からの参加を検討しているようです。一点書いておきますが、エネルギーを主たる事業とする企業は、残念ながらRE100にも再エネ100宣言にも参加することはできないことを知っておいてください。ですから、地域の新電力は参加できません。しかし、地域新電力を構成する会社や団体は大丈夫ですので、地域の活性化を図る一つの推進力として検討すべきだと思います。例えば、地元の中小企業や自治体が参加を摸索する時、その際のアドバイサーの役割を地域や自治体新電力が行うのはぴったりの役どころでしょう。

 SDGsが地方でも一種のブームとなる中、再エネ100宣言も同様に取り上げられ、参加が議論されることになるでしょう。地域が元気になるツールがまた一つ増えると思ってください。
 一方で、SDGsのセミナーが盛況なのに、その場でのお勉強で終わっているケースが少なくないと聞きます。説明側がSDGsの定義ばかりを話して、地域とのつながりや実践までに届かないことが多いからでしょう。それでは、いつまで経っても絵に描いた餅でしかありません。
 再エネ100宣言もあくまでもきっかけであることを忘れてはいけません。このチャンスをどう生かすかは、そのツールをどう地元で使うかという実際の行動にかかっています。再エネ100宣言の英語名REacitonは、まさにその行動(action)を求める呼びかけを名前に含んでいるのです。

以上

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