第六十四回 改めて地球温暖化について考えてみる

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 「かつてないほどの規模」が冠せられた台風19号は、驚くほど広い地域に爪痕を残して去っていきました。100年に一度という言葉も災害に関しては通常化しています。このようないわゆるスーパー台風が実際に百年後まで来ないと考える人はだれもいないでしょう。それどころか、将来、毎年来襲してもおかしくないとさえ言われています。
 明らかに、気候はおかしくなっています。その理由は、やはり二酸化炭素の増加としか考えられないというのが一致した見解です。ところが私たちはそれに対して何をしているでしょうか。もちろんその問いは、私自身にも跳ね返ってきています。

 先月下旬の国連気候変動サミットは、世界中で起きている危機的な状況の中で開かれました。海外デビューとなった日本の環境大臣の間抜けさは置いておき、一挙に主役になったのは16歳のスウェーデンの少女でした。グレタ・トゥーンベリさん。にらみつける顔つき、非常にきつい口調で、「あなたたちは悪」、「決して許さない」とCO2削減に真剣に取り組んでいない大人社会に対して強烈なメッセージを突き付けました。
 少女は可愛く、可憐な存在でないと安心できない多くの大人たちが、日本だけでなく世界でも反発を繰り返しました。再生エネが嫌いな産経新聞のコラムは、『違和感』という言葉を使って、「周囲を睨(にら)みつけるあの表情、実に嫌な感じがした。」と書きました。本筋の気候変動に対するコメントでなく、彼女の表情を取り上げるという『大人げない』態度で。他にも、「大人に操られている」など、こちらも彼女の主張の内容に対してではなく、あたかも裏を知っている風の第三者的な意見が語られています。

 グレタさんが、怒っているのはまさにこういう大人の態度なのです。
 国連の気候変動サミットに合わせて、世界中で子供や若者を中心に800万人に迫るストライキやデモが起きました。これから長く生きていかなければならない若い人たちの危機感は半端なものではありません。ドイツでは百数十万人が参加し、ニューヨークの学校の先生は生徒のストライキを絶賛しました。残念ながら日本では数千人規模でしたが、これは私たち大人がきちんとした情報や態度を示すということを日ごろやってきていないからなのかもしれません。とぼけた日本の坊っちゃん新大臣はその象徴でしょう。

 パリ協定は確かに劇的な速さで成立し発効しました。しかし、その実行は遅々として進んでいません。まだ勘違いしている日本人がいるようなのであえて書きますが、日本は環境大国とは全く反対側にいます。例えば、ここに至っても二けたの石炭発電所を作ろうというのですから。先進的な高効率の石炭火力の技術を持つからという言い訳は、世界から単純に呆れられています。結局、トランプ大統領と並んで、今回の国連サミットでの日本の演説は拒否されました。
 かくいう私も何をしているのだろうともう一度考えざるを得ませんでした。多くの資源を無駄遣いしていないか、例えばレジ袋はどう使っているだろうかと疑うことは山ほどあります。また、仕事として再生エネの拡大をあちらこちらで語っていますが、その目的をビジネスとしてばかり、事業性を特に強調していることに気づき、恥ずかしく思いました。もっと、温暖化が引き起こす害悪への対応、CO2削減の必要性を話すべきではないかと思い直したところです。これは、グレタさんたち、子供や若者に対してきちんと対面して話ができる自分でいるかどうかということなのです。

 先日、ある地方の複数の自治体が主催したセミナーでいつものように再生エネの価値やRE100、SDGs、地域新電力の意義などの話をしました。その後の懇親会も数十名の参加でにぎわい、その締めとなった時のことです。
 地元の新電力の社長さんがわずか30秒ほどのあいさつをしました。そこで語られたのがグレタさんの行動でした。彼女の言葉を取り上げたうえで、「私たち大人が何をするかにかかっている。今日から行動に移すべきだ。」という端的な指摘に、かなりのお酒が入っているにも関わらず、会場は大きな拍手に包まれました。
 このセミナーを主催した自治体は10月初旬に発足したRE100の自治体、中小企業版である『再エネ100宣言 RE Action』への参加申し込みを済ませたばかりでした。この社長さんは、実は新電力の社長であると同時に、その新電力の筆頭株主である地元の会社の社長でもあります。彼に、自らの会社も『再エネ100宣言 RE Action』に加盟しませんか、と水を向けたところ、「参加しないという選択はないなあ」と、テレビのCMのような答えが返ってきました。

 地域新電力の大きな目的のひとつは再生エネの拡大です。それは、エネルギーの地産地消、地域の経済循環による地域活性化につなげることでもあります。そして、忘れてはならないのは、CO2削減によって気候変動を少しでも食い止め、子供たちの世代に長く住むことのできる地域、地球を残すことです。
 私たちはその先頭に立って歩むということを確認し、そしてその行動をぜひ誇りに思ってもらいたいと考えています。

以上

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