第七十五回 コロナ自粛とどう付き合うか

日本再生可能エネルギー総合研究所 北村

 テレビも新聞も、新型コロナウイルス一色です。
 これを書いている4月6日は月曜日です。週末に一挙に東京の感染者が増えていわゆる非常事態宣言がまもなく発せられることが確実となっています。東京の陰に隠れていますが、私の住んでいる神奈川県も急激に感染者が増えています。すでに300人に迫り日曜日も30人近く増えました。宣言の区域に含まれるでしょう。私も4月はほぼテレワークに移行する準備を終えています。

 さて、他のメディアでも書いているのですが、コロナ自粛にどう付き合うかが今回のテーマです。
 本コラムは、地域新電力とその基盤となる地域をベースとするものです。ただし、まず世間がこの危機にどう付き合おうとしているのか、つまり協力などの対応をしているかを含めて見てみましょう。医療機関や感染者など自らがそのものの渦中にいるところは付き合うも何もありませんから、私がお話しするのはその周辺ということです。
 喫緊のニュースでは、軽症感染者用の滞在場所を提供するホテルの話が入ってきています。また、ソニーが総額100億円を超える支援ファンド「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」を立ち上げることを表明しています。一方、サッカー選手や野球選手などのアスリートが家での過ごし方、例えば、家でできる運動方法などがネットをにぎわしています。

 それでは、地域新電力は何ができるのでしょうか。
 「できるのか」、というより、ここではあえて「すべきか」と書いておきます。特に、ここで取り上げている地域新電力は、地域活性化という果たすべき重要な役割があると考えるからです。
 柱は大きく2つあります。
 新型コロナウイルスの拡大そのものについての対応で、もうひとつは自粛などでできる余剰時間をどう使うかです。

 まず、コロナに直接関連することです。
 ご存知のように自粛に伴う経済的な影響は観光や飲食店などに多大なダメージを与えています。光熱費などが払えないという声も聞かれ始めている中、すでに電気料金支払いの猶予を表明している小売り電力会社、新電力などがあります。例えば、岩手県久慈市にある久慈地域エネルギー㈱も支払い猶予の対応を始めたそうです。この支払い猶予は、最もわかりやすい方法でしょう。さらに、経済的に厳しい需要家に対する特別な割引を一定期間行うという選択肢もありそうです。
 場所によっては、学校の一斉休業が延長されています。学童施設はもとより、子ども食堂などの存在がさらに重要になってきています。これらの施設に対する支援として、料金対応だけでなく、寄付などで直接サポートする方法もあるでしょう。
 また、コロナ対策として、外出自粛や手洗い励行などの広報活動を行うこともできます。料金請求書に載せたり、WEBで周知したりするのはそんなに手間ではないと思います。地域新電力が地域の一員だとすれば、ごく当たり前の行為です。
 一点だけ、確認しておきたいのは、これらの行動は決して顧客拡大のためのツールではないということです。そんな“ケチな考え”を持つところはないと思いますが、すぐに見透かされます。逆に、他の地域の新電力があれば、協力してやることです。

 もうひとつは、時間の使い方です。
 私の場合、セミナーや勉強会などがゼロとなり、また地方への出張も現実的でない状況です。もちろん、いわゆるテレワークでコミュニケーションを取りながらこれまでの活動の多くは継続できますが、それでもセミナー参加や移動時間などが無くなることで時間の余裕が出てきています。
 そこで、2つのことを提案します。
 まず、勉強をしてください。
 今年は、発送電の分離が実行されるだけでなく、FIT制度も終焉に向かって大きく変わります。さらに容量市場など新しい電力市場が生まれてくることも決まっています。どれも日本ではほぼ初めてのことで、内容も多岐にわたっていて、はっきり言って複雑なものも多く含まれています。新しいシステムを知ることはビジネスチャンスを知ることでもあり、逆に知らないと機会損失につながりかねません。
 もう一つは、ビジネスの準備です。
 再生エネに関する分野は、コロナ騒ぎがあっても成長するフィールドであり続けることは確実です。再生エネ施設の拡大や供給などの利活用に関して、地域の新電力ができることは山ほどあります。PPA(Power Purchase Agreement)の事業性の精査や蓄電池やEVを含めたVPPの検討、RE Actionへの対応ビジネス、自治体を含めた地域内外との連携などが簡単に浮かびます。

 コロナによる地域経済の一時的な落ち込みは避けられません。重要なのは、コロナ後です。経済的な復活のための準備は今から行うべきです。
 地域の重要なステークホルダとして、地域新電力も経済をけん引する役割を担うという気概をぜひ持ってもらいたいと思います。

以上

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